生物記録情報

2012.5.23
 現在の自然教育園内の主な生物の見頃情報をお知らせします。
 写真はイイギリの花、マユミの花、アイイロニワゼキショウの花です。
 園内では、さわやかな初夏の風とともに甘い香りが漂ってきます。近くの地面に目を落とすと、イイギリの雄花が多数落下し園路を黄色に埋め尽くしているのを見ることが多いです。イイギリはイイギリ科イイギリ属の落葉高木で、北海道を除く日本全国と、中国、朝鮮などの暖地に自生します。植栽されたものが鳥の散布により広がり、都市部の公園などでもよく生育しています。「飯桐」と書き、葉が桐の葉に似ていて、昔、この葉で飯をくるんだことが名前の由来です。雌雄異株で、雌株は秋から冬にかけて房状の赤い実が目立ち、ヒヨドリやツグミなどの野鳥のえさになります。園内各所に大木が点在しています。
 マユミはニシキギ科マユミ属の落葉低木です。名前の由来は、「真弓」と書き、昔、この木材で弓を造ったことからです。「繭実」説もあり、実が枝から花柄でぶら下がり、カイコの繭を糸でぶら下げたのに似るので名前が付けられたとも言われます。花は地味で、ピンク色の熟した実の様子の方が目立ちます。雌雄異株で、路傍植物園水生植物園など園内各所で見られます。
 アイイロニワゼキショウは北アメリカ原産の帰化植物です。アヤメ科ニワゼキショウ属の多年草です。小さな花なので、アヤメ科とは、意外な印象があります。庭に咲く藍色のセキショウの意味で、セキショウとは、サトイモ科のショウブに似た草で葉が似ていることからこの名が付けられました。水生植物園で見られます。花の色がピンク色のニワゼキショウも同時に見られます。こちらの方はアイイロニワゼキショウに比べると葉が細く背丈も低いです。

〔樹木〕
(咲き始め)アカガシ、ウツギ、スイカズラ
(花の見頃)イイギリ、ガマズミ、ゴンズイ、テイカカズラ、トベラ、ノイバラ、マユミ
(花そろそろ終わり)エゴノキ、コアジサイ、コゴメウツギ、シュロ、スダジイ、ホオノキ、マルバウツギ

〔草〕
(咲き始め)オオチドメ、カモジグサ、クサヨシ、ドクダミ、ニワゼキショウ、ヤマブキショウマ
(花の見頃)アイイロニワゼキショウ、ウシハコベ、オオバコ、キショウブ、クサノオウ、コナスビ、サイハイラン、シロツメクサ、スズメノカタビラ、トウバナ、ヌカボ、フトイ
(花そろそろ終わり)オニタビラコ、オヘビイチゴ、カキツバタ、カニツリグサ、キクムグラ、チョウジソウ、ハナイバナ、ハルジオン、ヘビイチゴ、ミミナグサ、ムラサキサギゴケ、ヤブタビラコ

 見られた昆虫、鳥類、その他の動物は以下の通りです。
〔昆虫〕
 チョウ類…アオスジアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ、アカボシゴマダラ、ツマグロヒョウモン、コミスジ、ヒメジャノメ
 トンボ類…クロスジギンヤンマ
 アブ類…アシブトハナアブ、シマハナアブ、ホソヒラタアブ、ヒメヒラタアブsp.、マガリケムシヒキ
 ハチ類…クマバチ、コマルハナバチ、オオスズメバチ、セグロカブラハバチ(ニホンチュウレンジから訂正)、カブラハバチ(ニホンカブラハバチから訂正)、コハナバチsp.
 ハエ類…キンバエsp.
 カメムシ類…ヤニサシガメ、アメンボ
 蛾類…フクラスズメ幼虫
 甲虫類…クロウリハムシ、アカガネサルハムシ
〔鳥類〕
 ハシブトガラス、ムクドリ、スズメ、メジロ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ツバメ、コゲラ、カルガモ、キジバト、ドバト
〔両生爬虫類〕クサガメ、スッポン、ヒキガエル幼生、ウシガエル、ミスジマイマイ、アオダイショウ
〔その他〕メダカ、モツゴ、ヨシノボリ、スジエビ
イイギリの花
イイギリの花
マユミの花
マユミの花
アイイロニワゼキショウの花
アイイロニワゼキショウの花
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