生物記録情報

2012.4.25
 現在の自然教育園内の主な生物の見頃情報をお知らせします。
 写真はヤマブキソウの花、ミツデカエデの花、ムベの花です。
 ヤマブキソウはケシ科クサノオウ属の多年草です。木本のヤマブキの花に似た野草という意味で、この名前が付けられました。黄色の鮮やかな花を咲かせています。木本のヤマブキはバラ科で花弁が5枚ですが、ヤマブキソウの花弁は4枚です。路傍植物園と武蔵野植物園で見られます。
 ミツデカエデはカエデ科カエデ属の落葉高木です。「三手楓」と書き、3つの手のカエデという意味で、葉が3枚の小葉に分かれることからこの名前が付きました。前年枝に小さな黄色い花からなる長い花序がつきます。雌雄異株です。水生植物園で雄株が見られます。
 ムベはアケビ科ムベ属の常緑性のツル植物です。ムベの果実はアケビと同様に食べられますが、アケビのように縦裂して開くことはありません。秋には赤く熟した様子が見られます。昔、この果実をわらかごに入れて朝廷に献上したので大賛(おおにえ)すなわち筍苴(おおむべ)と言います。これがウムベとなり、次いでウベと略せられ、ムベに転訛したと言われています。雌雄異花で、多数の雄花と少数の雌花を付けます。水生植物園の中央トイレ近くのソメイヨシノに絡んでいるのが見られます。

〔樹木〕
(咲き始め)タブノキ、チドリノキ、ヒメグルミ、ムベ
(花の見頃)アケビ、イロハモミジ、ウワミズザクラ、クサイチゴ、クロマツ、ケヤキ、コナラ、サルトリイバラ、ナツグミ、ハナイカダ、ヒメカジイチゴ、ミツデカエデ、ミツバアケビ、ミツバウツギ、ミツバツツジ、ヤマツツジ、ヤマブキ
(花そろそろ終わり)アオキ、コクサギ、シロヤブツバキ、ニワトコ、ヒイラギナンテン、ヤマグワ

〔草〕
(咲き始め)エビネ、オドリコソウ、オニタビラコ、ジュウニヒトエ、ハナイバナ、ハルジオン、ヤブヘビイチゴ
(花の見頃)アメリカスミレサイシン、イカリソウ、イチリンソウ、ウラシマソウ、カキドオシ、カントウタンポポ、キクムグラ、キランソウ、クサノオウ、コジュズスゲ、サクラソウ、シャガ、セキショウ、セントウソウ、タチツボスミレ、チゴユリ、ツボスミレ、ニリンソウ、ノウルシ、ハコベ、ハナダイコン、ヒメウズ、ヘビイチゴ、ホウチャクソウ、ミゾイチゴツナギ、ミツガシワ、ミツバツチグリ、ムサシアブミ、ムラサキサギゴケ、ヤエムグラ、ヤブタビラコ、ヤブニンジン、ヤマブキソウ、ラショウモンカズラ
(花そろそろ終わり)アゼスゲ、カサスゲ、ケマルバスミレ、シュンラン、ムラサキケマン、ヤマルリソウ

 見られた昆虫、鳥類、その他の動物は以下の通りです。
〔昆虫〕
 チョウ類…キチョウ、モンシロチョウ、ツマキチョウ、ルリシジミ、トラフシジミ
 アブ類…ビロードツリアブ、アシブトハナアブ、オオハナアブ
 ハチ類…クマバチ、コマルハナバチ
 カメムシ類…クサギカメムシ、アメンボ
〔鳥類〕
 ハシブトガラス、ムクドリ、スズメ、メジロ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ツグミ、コゲラ、カルガモ、キジバト、ドバト
〔その他〕メダカ、スジエビ、クサガメ
ヤマブキソウの花
ヤマブキソウの花
ミツデカエデの花
ミツデカエデの花
ムベの花
ムベの花
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