生物記録情報

2012.3.28
 現在の自然教育園内の主な生物の見頃情報をお知らせします。
 写真はキブシの花、ツクシ、草本の若葉6種です。
 キブシはキブシ科キブシ属の落葉低木です。雌雄異株です。ヌルデの葉に虫が寄生してできる虫こぶのことを木五倍子(キフシ)といい、江戸時代、お歯黒(既婚の女性が歯を黒く染める風習)に使われました。そのヌルデの五倍子と同様にキブシの果実はタンニンが多く、その代用に使われたことが名前の由来です。まだ葉の出ていない枝の先端にクリーム色の花穂がぶら下がっている様子は春の風情があります。路傍植物園にあるキブシは雄株ですので、実を見ることはできません。
 ツクシはシダ植物トクサ科トクサ属のスギナの胞子茎で、早春に地表に出てきて胞子を飛ばします。ツクシと地下茎でつながっているスギナの栄養茎がツクシの後に出てきます。栄養茎がスギの樹形に似ていることから「スギナ」の名前が付きました。ツクシは春の風物詩、山菜として古くから親しまれてきました。ツクシは土中でスギナに付いているから「付く子」、土を突いて地表に出てくるから「突く子」、節のところで切り離しても継ぐことができるから「継く子」、と色々な説があります。また、漢字の「土筆」はその姿形が筆に似ているところからあてられた字です
 次々と草本が地表に若葉を出し、春らしさを感じさせてくれます。写真は、ウバユリ、イヌショウマ、ムサシアブミ、ヒトリシズカ、ヤブレガサ、サクラソウです。サクラソウは武蔵野植物園で他の5種は路傍植物園で見られます。

〔樹木〕
(咲き始め)イヌシデ、コブシ、ヒイラギナンテン
(花の見頃)アセビ、アブラチャン、ウグイスカグラ、ウメ、キブシ、シロヤブツバキ、ハルニレ、ヒサカキ、モクレイシ、ヤブツバキ
(花そろそろ終わり)スギ、ツノハシバミ、マンサク
(実の見頃)ムクロジ
(芽吹き・若葉)イボタノキ、イロハモミジ、ガクアジサイ、ガマズミ、コウヤボウキ、コクサギ、ゴンズイ、スイカズラ、ニワトコ、ノイバラ、ヒメカジイチゴ、マユミ、ミツバウツギ、ヤマブキ

〔草〕
(咲き始め)タチツボスミレ、ニリンソウ、バイモ、ハコベ、ハナダイコン、ヒメウズ、ヤマルリソウ
(花の見頃)アオイスミレ、アズマイチゲ、アマナ、スギナ、カタクリ、シベリアツルボ、シュンラン、ヒロハアマナ、フキ、フッキソウ、ユキワリイチゲ
(花そろそろ終わり)ヒメカンスゲ、フクジュソウ、ミヤマカンスゲ
(実の見頃)ジャノヒゲ、ノシラン、ヒメガマ、ヤブラン
(芽生え・若葉)アゼスゲ、アヤメ、イチリンソウ、イヌショウマ、ウバユリ、オドリコソウ、カキツバタ、カサスゲ、キクザキイチゲ、キツネノカミソリ、キンミズヒキ、クサフジ、サクラソウ、ショウブ、シラヤマギク、ジロボウエンゴサク、シロヨメナ、セリ、タカトウダイ、チダケサシ、ツルボ、トモエソウ、ナガボノシロワレモコウ、ノウルシ、ノガリヤス、ノカンゾウ、ノダケ、ノブキ、ハンカイソウ、ヒトリシズカ、ミズタマソウ、ミゾソバ、ムサシアブミ、ヤブカンゾウ、ヤブタバコ、ヤブニンジン、ヤブレガサ、ヤマブキソウ、ユウガギク

 見られた昆虫、鳥類、その他の動物は以下の通りです。
〔昆虫〕
 チョウ類…モンシロチョウ、キチョウ、キタテハ
 アブ類…オオハナアブ、ビロードツリアブ
 ハエ類…オオクロバエ
 カマキリ類…コカマキリ卵鞘、ハラビロカマキリ卵鞘、オオカマキリ卵鞘
 カメムシ類…アメンボ
〔鳥類〕
 ハシブトガラス、スズメ、シメ、カワラヒワ、アオジ、キセキレイ、メジロ、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒヨドリ、ウグイス、シロハラ、ツグミ、コゲラ、ダイサギ、カルガモ、キジバト、ドバト
〔爬虫類〕クサガメ
キブシの花
キブシの花
ツクシ
ツクシ
草本の若葉6種
草本の若葉6種
画像をクリックすると大きくなります。