生物記録情報

2012.3.7
生物見頃情報 2012.3.7

 現在の自然教育園内の主な生物の見頃情報をお知らせします。
 写真はアセビの花、ヤブツバキの花、草本の若葉です。
 アセビはツツジ科アセビ属の常緑低木で、白い釣り鐘状のかわいらしい花を下向きに咲かせます。「馬酔木」と書き、馬がこの葉を食べると酔ったように足が不自由になることから、「足癈(あしじひ)」と呼ばれ、しだいに変化して「あしび」そして「あせび」となりました。アセボトキシンという毒をもち、蜂蜜を経由してヒトに中毒症状が起こることがあります。ひょうたん池の前で見られます。
 ヤブツバキはツバキ科ツバキ属で、暖地に生育するおなじみの常緑の小高木です。ツバキには園芸品種も多く、古くから人々に親しまれていますが、このヤブツバキが原種です。またその種子から椿油が採取されます。「ツバキ」という名前の由来はいくつかあります。貝原益軒の「日本釈名」によれば、「厚葉木(あつばき)」がつまって「ツバキ」、新井白石は「東雅」のなかで、「艶葉木(つやばき)」がつまって「ツバキ」になったと説いています。また、深津正氏は、朝鮮語で椿のことを「冬柏(ton・baik)」といい、その音がそのまま日本に伝わって「ツバキ」になったと、「植物和名語源新考」で説いています。ヤブツバキは園内全域で見られ、白花のシロヤブツバキも武蔵野植物園や水鳥の沼近くで見られます。
 2月22日に引き続き、若葉を広げている草本類を紹介します。イチリンソウ、ニリンソウは路傍植物園で、ノカンゾウ、ユウガギクは水生植物園で、カタクリ、ツルボは武蔵野植物園で見られます。

〔樹木〕
(咲き始め)ウグイスカグラ、シロヤブツバキ
(花の見頃)アセビ、スギ、マンサク、モクレイシ、ヤブツバキ
(実の見頃)マンリョウ、ムクロジ、ヤブコウジ
(紅葉)クサイチゴ、サネカズラ、スイカズラ、センリョウ、ヤブコウジ

〔草〕
(咲き始め)アオイスミレ、ヒロハアマナ、ミヤマカンスゲ
(花の見頃)フキ、フクジュソウ、ユキワリイチゲ
(花そろそろ終わり)セツブンソウ
(実の見頃)ジャノヒゲ、ノシラン、ヒメガマ、ヤブラン
(紅葉)アカハナワラビ、アカフユノハナワラビ、オオハナワラビ、キランソウ、スイバ、ダイコンソウ、トラノオスズカケ

 見られた昆虫、鳥類、その他の動物は以下の通りです。
〔昆虫〕
 フユシャクsp、ヨコヅナサシガメ幼虫、コカマキリ卵鞘、ハラビロカマキリ卵鞘、オオカマキリ卵鞘、アブラムシsp、ムラサキトビムシsp
〔鳥類〕
 ハシブトガラス、スズメ、シメ、カワラヒワ、アオジ、メジロ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、シロハラ、ツグミ、コゲラ、ダイサギ、カルガモ、キジバト、ドバト
アセビの花
アセビの花
ヤブツバキの花
ヤブツバキの花
草本の若葉
草本の若葉
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