生物記録情報

2012.3.1
 現在の自然教育園内の主な生物の見頃情報をお知らせします。
 写真はフキの花、モクレイシの花、ロゼット葉4種です。
 フキはキク科フキ属の多年草です。「フキノトウ」は早春の風物詩あるいは味覚として知られていますが、これはフキの花茎のことを指します。つぼみのフキノトウが、やっと花を開き始めました。フキという名の由来について、金田一春彦は、「葉に短い毛が生え、汚れをふくのに便利だから拭きの葉という。」説を唱え、新井白石(1657〜1725)は「フキはフブキの略で、フブキとは茎を折った時、繊維が糸のように出てくることをさす。」と言っています。フキは路傍植物園、水生植物園、武蔵野植物園など園内各所で見られます。
 モクレイシはニシキギ科モクレイシ属の常緑低木で、暖帯林に生えます。モクレイシという名は、実が割れて赤い仮種皮が見えるのが、ツルレイシ(ニガウリのこと)の赤い種子に似ている木という意味から付けられました。雌雄異株で、園路から見えるのは雄株で実を見ることはできません。展示ホールから路傍植物園を進むとすぐ右手に、さらに進むともう1本見られます。
 ロゼットとは、バラの花の形を意味する言葉です。ロゼット葉は草本の冬越しする姿を言い、茎がなく葉を地面にへばりつくように放射状に広げている状態です。キランソウ、ダイコンソウ、タイアザミ、オニタビラコのロゼット葉を紹介します。園路沿いで見つけることができます。

〔樹木〕
(咲き始め)アセビ、ウグイスカグラ、シロヤブツバキ、スギ、モクレイシ
(花の見頃)マンサク、ヤブツバキ
(花そろそろ終わり)ハンノキ
(実の見頃)アオキ、センリョウ、マンリョウ、ムクロジ、ヤブコウジ
(紅葉)クサイチゴ、サネカズラ、スイカズラ、センリョウ、ヤブコウジ

〔草〕
(咲き始め)フキ
(花の見頃)セツブンソウ、フクジュソウ、ユキワリイチゲ
(実の見頃)カラスウリ、ジャノヒゲ、ノシラン、ヒメガマ、ヤブラン
(紅葉)アカハナワラビ、アカフユノハナワラビ、オオハナワラビ、キランソウ、スイバ、ダイコンソウ、トラノオスズカケ

 見られた昆虫、鳥類、その他の動物は以下の通りです。
〔昆虫〕
 ヨコヅナサシガメ幼虫、コカマキリ卵鞘、ハラビロカマキリ卵鞘、オオカマキリ卵鞘、アブラムシ
〔鳥類〕
 ハシブトガラス、ススメ、シメ、カワラヒワ、アオジ、メジロ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、シロハラ、ツグミ、カワセミ、コゲラ、ダイサギ、コサギ、カルガモ、カワウ、キジバト、ドバト
フキの花
フキの花
モクレイシの花
モクレイシの花
ロゼット葉4種
ロゼット葉4種
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