生物記録情報

2012.2.9
 現在の自然教育園内の主な生物の見頃情報をお知らせします。
 写真はハナワラビの仲間の紅葉、落葉樹の冬芽と葉柄痕、フクジュソウの花です。
 ハナヤスリ科ハナワラビ属のシダ植物は栄養葉と胞子葉を持っています。自然教育園では、オオハナワラビ、アカハナワラビ、アカフユノハナワラビが、10月から11月にかけて胞子葉から胞子を飛ばします。冬の間、胞子葉は枯れて横になってしまいますが、栄養葉は赤くなって葉を広げているのが見られます。葉が凍らないように糖分濃度が高まってアントシアンができたためですが、春には赤い色は消えてしまいます。オオハナワラビは3種の中では最も多く、園内各所で見られます。アカハナワラビは水生植物園で、アカフユノハナワラビは武蔵野植物園で見られます。
 葉を落とした落葉樹の冬芽と前年の葉柄痕の観察は、なかなか楽しいものです。特に維管束痕が残る葉柄痕は樹木の種類によって特徴があり、冬芽と併せてそれぞれ個性的な人や動物の顔に見えてきます。
 フクジュソウはキンポウゲ科フクジュソウ属の多年草です。旧暦の元旦の頃に開花することから、おめでたい花として福寿草(ふくじゅそう)という名がついたと言われています。正月の床飾りとされ、かつては元旦草とも呼ばれました。黄色い花弁のように見えるのは萼片です。晴れた日に、陽の光を浴びて開き、夜間は閉じています。路傍植物園と武蔵野植物園で咲き始めました。

〔樹木〕
(咲き始め)シロヤブツバキ
(花の見頃)ハンノキ、ヤブツバキ
(実の見頃)アオキ、イイギリ、カラスザンショウ、コウヤボウキ、サルトリイバラ、シロミノマンリョウ、センリョウ、マンリョウ、ムクロジ、ヤブコウジ
(紅葉)クサイチゴ、サネカズラ、スイカズラ、センリョウ、ヤブコウジ

〔草〕
(咲き始め)フクジュソウ、ユキワリイチゲ
(実の見頃)アマチャヅル、カラスウリ、シオデ、ジャノヒゲ、ノシラン、ヒメガマ、ムサシアブミ、ヤブラン
(紅葉)アカハナワラビ、アカフユノハナワラビ、オオハナワラビ、キランソウ、スイバ、ダイコンソウ、トラノオスズカケ、ユキワリイチゲ

 見られた昆虫、鳥類、その他の動物は以下の通りです。
〔昆虫〕
 ヨコヅナサシガメ幼虫、コカマキリ卵鞘、ハラビロカマキリ卵鞘、オオカマキリ卵鞘、フユシャクsp。
〔鳥類〕
 ハシブトガラス、シメ、カワラヒワ、アオジ、メジロ、シジュウカラ、モズ、ヒヨドリ、ウグイス、シロハラ、ツグミ、コゲラ、オオタカ、ダイサギ、コサギ、カルガモ、キジバト、ドバト
ハナワラビの仲間の紅葉
ハナワラビの仲間の紅葉
落葉樹の冬芽と葉柄痕
落葉樹の冬芽と葉柄痕
フクジュソウの花
フクジュソウの花
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