生物記録情報

2012.1.25
 現在の自然教育園内の主な生物の見頃情報をお知らせします。
 写真はアオキの実、ムラサキシキブとガクアジサイの冬芽、コカマキリとハラビロカマキリの卵鞘です。
 アオキはミズキ科アオキ属の常緑低木です。葉や枝・幹が緑色であることから、古くは「青木葉」と呼ばれ、それが和名属名の由来となっています。雌雄異株で、花は4月頃咲きます。赤く大きな実は目立ち、野鳥の餌となります。園内全域で見られます。
 冬の間、落葉樹は春に開く葉を冬芽という形で過ごします。ムラサキシキブとガクアジサイの冬芽はいずれも、葉を包む芽鱗(がりん)をもたないので裸芽(らが)と呼ばれます。たたまれた葉の葉脈がはっきり見られます。また、ガクアジサイの冬芽は前年に落ちた葉の痕(葉柄痕と呼ばれる)と一緒に見ると、まるで帽子をかぶった人の顔のようにも見えます。
 カマキリの仲間は秋に産卵し、親は死んでしまいます。その産卵方法は泡のような塊の中に多数の卵を包んで産み付けます。その塊を卵鞘(らんしょう)と言い、冬の間卵を保護しています。カマキリの種類によってその形と産み付ける場所に特徴があります。ハラビロカマキリは木の幹や枝に、コカマキリは人工物に産み付けます。園内で見つけることができました。

〔樹木〕
(咲き始め)ハンノキ、ヤブツバキ
(実の見頃)アオキ、イイギリ、カラスザンショウ、サルトリイバラ、シロミノマンリョウ、センリョウ、ノイバラ、マンリョウ、ムクロジ、ヤブコウジ
(紅葉)クサイチゴ、サネカズラ、スイカズラ、センリョウ、ヤブコウジ

〔草〕
(咲き始め)ユキワリイチゲ
(実の見頃)アマチャヅル、カラスウリ、シオデ、ジャノヒゲ、ヒメガマ、ヘクソカズラ、ムサシアブミ、ヤブラン
(紅葉)スイバ、ダイコンソウ、トラノオスズカケ

 見られた昆虫、鳥類、その他の動物は以下の通りです。
〔昆虫〕
 ヨコヅナサシガメ幼虫、トホシテントウ幼虫、コカマキリ卵鞘、ハラビロカマキリ卵鞘
〔鳥類〕
 メジロ、コゲラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ハシブトガラス、アオジ、ウグイス、シロハラ、シメ、ツグミ、ドバト、キンクロハジロ、カワセミ
アオキの実
アオキの実
ムラサキシキブとガクアジサイの冬芽
ムラサキシキブとガクアジサイの冬芽
コカマキリとハラビロカマキリの卵鞘
コカマキリとハラビロカマキリの卵鞘
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