生物記録情報

2011.5.25
 現在の自然教育園内の主な植物の見頃情報をお知らせします。
 写真はイイギリの花、ヤマボウシの花、ウツギの花です。
 園内では、さわやかな初夏の風とともに甘い花の香りが花をつきます。たいていは近くの地面に、大木のイイギリの雄花が多数落下し園路を黄色に埋め尽くしているのを見ることができます。イイギリはイイギリ科イイギリ属の落葉高木で、北海道を除く日本全国と、中国、朝鮮などの暖地に自生します。植栽されたものが鳥の散布により広がり、都市部の公園などでもよく生育しています。「飯桐」と書き、葉が桐の葉に似ていて、昔、この葉で飯をくるんだことが名前の由来です。雌雄異株です。雌株は秋から冬にかけて房状の赤い実が目立ち、ヒヨドリやツグミなどの野鳥のえさになります。園内各所に大木が点在しているのが見られます。
 ヤマボウシはミズキ科ヤマボウシ属の落葉高木です。街路樹などでお馴染みの北アメリカ原産のハナミズキ(アメリカヤマボウシとも呼ばれる)と同じ仲間です。白い大きな花弁に見えるものは総苞片で、中心部に多数の花が集まっています。総苞片が開いた後に、咲き始めました。「山法師」と書き、総苞片を僧兵の頭巾に、頭状花序を僧兵の頭に見立てたのでこの名があります。武蔵野植物園と路傍植物園で見られます。
 ウツギはユキノシタ科ウツギ属の落葉低木です。先に咲き始め、そろそろ終わりを迎えるマルバウツギと同じ仲間、名前の由来は5月12日の見頃情報をご覧ください。卯月(旧暦4月)に花が咲くことから、「卯の花(うのはな)」とも呼ばれます。あの「夏は来ぬ」という歌の中で歌われている卯の花のことです。今真っ盛りのウツギの花は武蔵野植物園と路傍植物園で見られます。

〔樹木〕
(咲き始め)イボタノキ、テイカカズラ、ハマクサギ、ヤマボウシ
(花の見頃)イイギリ、ウツギ、コアジサイ、ゴンズイ、スイカズラ、ナワシロイチゴ
(花そろそろ終わり)エゴノキ、ガマズミ、コゴメウツギ、スダジイ、ノイバラ、ホオノキ、マユミ、マルバウツギ

〔草〕
(咲き始め)アサザ、カモジグサ、コウホネ、コナスビ、ドクダミ、ヒメジョオン
(花の見頃)アイイロニワゼキショウ、オオバコ、オヘビイチゴ、カキツバタ、カニツリグサ、キショウブ、キュウリグサ、クサノオウ、クサヨシ、サイハイラン、シロツメクサ、スズメノカタビラ、トウバナ、ニワゼキショウ、ヌカボ、ハナイバナ、ヤマブキショウマ
(花そろそろ終わり)オニタビラコ、キクムグラ、ハルジオン、フトイ、ヘビイチゴ
イイギリの花
イイギリの花
ヤマボウシの花
ヤマボウシの花
ウツギの花
ウツギの花
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