生物記録情報

2011.3.17
 現在の自然教育園内の主な植物の見頃情報をお知らせします。
 まだまだ寒い日もありますが、早春の花が次々と咲き始めています。写真はキブシの花、アオイスミレの花、シュンランの花です。
 キブシはキブシ科キブシ属の落葉低木です。雌雄異株です。ヌルデの葉に虫が寄生してできる虫こぶのことを木五倍子(キフシ)といい、江戸時代お歯黒(既婚の女性が歯を黒く染める風習)に使われました。ヌルデの五倍子と同様にキブシの果実はタンニンが多く、その代用に使われたことが名前の由来です。まだ葉の出ていない枝の先端にクリーム色の花穂がぶら下がっている様子は春の風情があります。路傍植物園で見られるキブシの木は雄株ですので、実を見ることはできません。
 アオイスミレはスミレ科スミレ属の多年草で、他のスミレに先駆けて開花します。このスミレの特徴は太くて短い距があり、花弁が波立ち、葉が丸いことです。花弁の色は普通、白色から淡紫色です。名前の「アオイ」は、葉の形が、徳川家の家紋の「葵」(ウマノスズクサ科のフタバアオイのこと)の葉に似ていることから付けられました。路傍植物園と武蔵野植物園で見られます。
 シュンランはラン科シュンラン属の多年草です。「春蘭」と書き、まさに春に咲く代表的なランで、他のランに先駆けて開花します。武蔵野植物園で見られます。

〔樹木〕
(咲き始め)キブシ、コブシ
(花の見頃)アセビ、イヌシデ、ウグイスカグラ、ウメ、シキミ、シロヤブツバキ、スギ、ツノハシバミ、マンサク、モクレイシ、ヤブツバキ
(実の見頃)ムクロジ

〔草〕
(咲き始め)アマナ、カタクリ、ショウジョウバカマ、バイモ、ラショウモンカズラ
(花の見頃)アオイスミレ、アズマイチゲ、カンアオイ、キクザキイチゲ、シュンラン、ヒメカンスゲ、ヒロハアマナ、フキ、ミヤマカンスゲ、ヤマルリソウ
(花そろそろ終わり)フクジュソウ、ユキワリイチゲ
(実の見頃)ジャノヒゲ、ノシラン
キブシの花
キブシの花
アオイスミレの花
アオイスミレの花
シュンランの花
シュンランの花
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