生物記録情報

2011.1.19
 現在の自然教育園内の主な植物の見頃情報をお知らせします。
 写真はムクロジの実、トラノオスズカケの紅葉、ジャノヒゲの実です。
 ムクロジはムクロジ科ムロジ属の落葉高木で、温暖な山野に生えます。実の中に黒く堅い種子が1つあり、種子は羽根つきの羽根の球(追い羽根)に使われます。 また、サポニンを多く含む実の皮は水をよく泡立てるので、古くは洗濯に利用されていました。路傍植物園、水鳥の沼の前などで見られます。木の周辺では落ちた果実も見られます。
 トラノオスズカケはゴマノハグサ科クガイソウ属の多年草です。自然教育園では、1昨年50年ぶりに発見された植物で、自生地の九州・四国では絶滅危惧種に指定されています。ピンク色の穂状の花は、昨年は9月上旬から10月中旬にかけて見られました(9月22日の植物見頃情報を参照)。冬の間葉が赤くなるのはクサイチゴなどと同様に、葉が凍らないように糖分濃度を高めたためです。水鳥の沼から階段を上がった右手、そのほかには武蔵野植物園、水生植物園でも見られます。
 ジャノヒゲはユリ科ジャノヒゲ属の常緑多年草です。名前は葉を蛇の髭に見立てたものですが、あるいは竜の髭に見立てて別名リュウノヒゲとも言います。ジャノヒゲの葉の茂みの中をちょっとかき分けると見える青い実のように見えるものは実は種子で、早期に果皮がはがれ落ちてしまうので種子だけが成熟します。ジャノヒゲは園内各所の園路沿いで見られます。


〔樹木〕
(咲き始め)ウグイスカグラ、シロヤブツバキ、ハンノキ、ヤブツバキ
(実の見頃)アオキ、ガマズミ、カラスザンショウ、カラタチバナ、コウヤボウキ、サルトリイバラ、シロミノマンリョウ、センリョウ、ネムノキ、ノイバラ、マンリョウ、ムクロジ、ヤブコウジ
(紅葉)クサイチゴ、サネカズラ、ヒメカジイチゴ

〔草〕
(咲き始め)ユキワリイチゲ
(花の見頃)カンアオイ
(実の見頃)イヌホオズキ、カラスウリ、ジャノヒゲ、ヒメガマ、ヒヨドリジョウゴ、ヘクソカズラ、ムサシアブミ、ヤブラン
(紅葉)オヘビイチゴ、ショウジョウバカマ、スイバ、ダイコンソウ、トラノオスズカケ、ラショウモンカズラ
ムクロジ実
ムクロジ実
トラノオスズカケの紅葉
トラノオスズカケの紅葉
ジャノヒゲの実
ジャノヒゲの実
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