生物記録情報

2011.1.5
 現在の自然教育園内の主な植物の見頃情報をお知らせします。
 写真はヘクソカズラの実、コバノカモメヅルの実、クサイチゴの紅葉です。
 ヘクソカズラはアカネ科ヘクソカズラ属のツル性の草本です。冬枯れの水生植物園に黄金色の実が目につきます。名前のいわれは草全体のにおいから付けられました。昨年の夏は8月上旬から9月上旬にかけてかわいらしい花が見られました。8月18日の見頃情報をご覧ください。
 コバノカモメヅルはガガイモ科のツル性の多年草です。披針形の袋果(先がとがった細長い実)が水生植物園のイヌコリヤナギの木に絡まっているのが見られます。花は赤紫色の小さな星形で、7月〜9月にかけて見られました。袋果が割れて、綿毛の付いた種子が風に乗って散らばっていきます。
 クサイチゴはバラ科キイチゴ属の小低木です。冬の間葉は赤くなりますが、これは葉が凍らないように糖分濃度を高め、糖から赤い色素を持つアントシアンが作られたためです。アントシアンはイロハモミジの紅葉のときに作られる成分と同じですが、クサイチゴの場合、葉は落ちず、春が近づき暖かくなると光合成が行われるようになり、再び元の色に戻ります。中央湿地を望む道ばたや武蔵野植物園などで見られます。

〔樹木〕
(咲き始め)ウグイスカグラ、ハンノキ
(実の見頃)アオキ、イイギリ、ガマズミ、カラスザンショウ、カラタチバナ、サルトリイバラ、シロミノマンリョウ、センリョウ、ツルウメモドキ、トウネズミモチ、ネムノキ、ノイバラ、ヒサカキ、マンリョウ、ムクロジ、ヤブコウジ
(紅葉・黄葉)クサイチゴ、サネカズラ、ナワシログミ、ハリギリ、マユミ、マルバウツギ、ヤマブキ

〔草〕
(花の見頃)カンアオイ
(実の見頃)アマチャヅル、イヌホオズキ、カラスウリ、カラスノゴマ、コバノカモメヅル、ジャノヒゲ、ヒメガマ、ヒヨドリジョウゴ、ヘクソカズラ、ミズタマソウ、ムサシアブミ、ヤブラン
(紅葉・黄葉)オヘビイチゴ、ダイコンソウ、トラノオスズカケ、ラショウモンカズラ
ヘクソカズラの実
ヘクソカズラの実
コバノカモメヅルの実
コバノカモメヅルの実
クサイチゴの紅葉
クサイチゴの紅葉
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