生物記録情報

2010.8.25
 現在の自然教育園内の主な植物の見頃情報をお知らせします。
 写真はコバノカモメヅルとアズマカモメヅルの花、ワレモコウ、ナガボノシロワレモコウ、ナガボノアカワレモコウの3種の花、ノシランの花です。
 コバノカモメヅルはガガイモ科カモメヅル属のツル性の多年草です。径が1pもない小さい花ですが、赤紫の色と星のような形が特徴的です。秋にできる種子は先に長い毛があり、風に乗って散布されます。白花品をアズマカモメヅルと呼びますが、水生植物園で同時に見ることができます。
 まだまだ厳しい暑さが続きますが、秋らしい花も咲き始めています。ワレモコウはバラ科ワレモコウ属の多年草で、秋を代表する野草としてよく知られています。「ワレモコウ」という名が付いたのには、こんなにも目立たない花のためか、「我も紅(こう)なり」と、主張しているのではないか、という説があります。同じ仲間に属するナガボノシロワレモコウは、長い穂の白いワレモコウの意、ナガボノアカワレモコウは長い穂の赤いワレモコウの意です。いずれも水生植物園で見られます。
 ノシランは、ユリ科ジャノヒゲ属の多年草です。冬の間美しい青色が目立ちますが、現在白い花を咲かせています。ノシランの「ノシ」は熨斗のことで、葉の形が進物や贈答品に添える「熨斗(のし)」に似ていることから、「ラン」は細長い葉が蘭の葉に似ているからというので「熨斗蘭」になったと言われています。森の小道、路傍植物園、武蔵野植物園などで見られます。

〔樹木〕
(花の見頃) エビヅル、サネカズラ、ノブドウ、ヤマハギ
(花そろそろ終わり) 
(実の見頃) ウワミズザクラ、ツルウメモドキ

〔草〕
(咲き始め) アオツヅラフジ、ゲンノショウコ、シラヤマギク、ノブキ、ヒヨドリバナ、モミジガサ
(花の見頃) アキカラマツ、アズマカモメヅル、イノコズチ、ウリクサ、エゾアブラガヤ、オトギリソウ、オニドコロ、カナムグラ、ガンクビソウ、キキョウ、キツネノマゴ、キンミズヒキ、コバギボウシ、コバノカモメヅル、コヤブタバコ、シュロソウ、シロバナキツネノマゴ、タカトウダイ、ツユクサ、ツリガネニンジン、トモエソウ、ナガボノアカワレモコウ、ナガボノシロワレモコウ、ナンバンギセル、ヌスビトハギ、ノシラン、ハグロソウ、ヒメヤブラン、フシグロセンノウ、ヘクソカズラ、マツカゼソウ、ママコノシリヌグイ、ミズタマソウ、ミズヒキ、ミソハギ、メハジキ、ヤブミョウガ、ヤブラン、ヤマノイモ、ユウガギク、ワレモコウ
(花そろそろ終わり) イヌヌマトラノオ、オオヒナノウスツボ、キツネノカミソリ、サワヒヨドリ、シロネ、スズメノヒエ、ダイコンソウ、トウバナ、ベニバナボロギク、メヤブマオ

コバノカモメヅルとアズマカモメヅルの花
コバノカモメヅルとアズマカモメヅルの花
ワレモコウ、ナガボノシロワレモコウ、ナガボノアカワレモコウの3種の花
ワレモコウ、ナガボノシロワレモコウ、ナガボノアカワレモコウの3種の花
ノシランの花
ノシランの花
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