生物記録情報

2010.6.10
 現在の自然教育園内の主な植物の見頃情報をお知らせします。
 写真はハンカイソウの花、ノハナショウブの花、ドクダミの花です。
 ハンカイソウはキク科メタカラコウ属の多年草です。静岡県以西の山地の湿ったところに自生します。葉も花も大型で目立ちます。この壮大な草の姿を、三国志劉邦の護衛役を務めた豪傑「樊會(はんかい)」に見立てたことが名前の由来です。水生植物園と武蔵野植物園で見られます。
 アヤメ科の同じ仲間のカキツバタ、アヤメ、キショウブは花の時期を終え、水生植物園ではノハナショウブが見頃を迎えています。葉はサトイモ科のショウブの葉に似て美しい花を咲かせる野生のハナショウブという意味でこの名が付けられました。
 ドクダミはドクダミ科ドクダミ属の多年草、この時期どこにでも花が見られ、薬草としてもお馴染みです。漢方では「十薬」と呼ばれます。葉の強烈な臭気も印象的です。この悪臭の成分に殺菌作用があり薬をもんでおできに貼ると化膿菌が死んでおできが治るのですが、昔の人はおできは体の毒が吹き出すためと思っていました。それを治す薬草、すなわち毒を抑えると言う意味の「毒矯め(どくため)」が訛ってドクダミとなったと言われています。有性生殖は行わず、卵細胞が受精せずに発達して種子を形成します(単為生殖)。園内各所で見られます。

〔樹木〕
(咲き始め) ガクアジサイ、ムラサキシキブ、ヤブニッケイ
(花の見頃) テイカカズラ、ハマクサギ、ヤマアジサイ、ヤマボウシ
(花そろそろ終わり) アワブキ、スイカズラ

〔草〕
(咲き始め) クサフジ、コモチマンネングサ、ツユクサ、ヤマホタルブクロ、ヤブレガサ
(花の見頃) アイイロニワゼキショウ、アサザ、オオチドメ、オヘビイチゴ、カタバミ、カモジグサ、クガイソウ、クサノオウ、クサヨシ、クララ、ケキツネノボタン、シロツメクサ、ツメクサ、トウバナ、ドクダミ、ニワゼキショウ、ノハナショウブ、ハエドクソウ、ハンカイソウ、ヒメジョオン、フトイ、ムラサキ、ヤマブキショウマ
(花そろそろ終わり) ウシハコベ、オオバコ、クサイ、コナスビ、スズメノカタビラ
ハンカイソウの花
ハンカイソウの花
ノハナショウブの花
ノハナショウブの花
ドクダミの花
ドクダミの花
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