生物記録情報

2010.5.26

 現在の自然教育園内の主な植物の見頃情報をお知らせします。
 写真はイイギリの雄花、ヤマボウシの花、ウツギの花です。
 イイギリはイイギリ科イイギリ属の落葉高木で、北海道を除く日本全国と、中国、朝鮮などの暖地に自生します。植栽されたものが鳥の散布により広がり、都市部の公園などでもよく生育しています。「飯桐」と書き、葉が桐の葉に似ていて、昔、この葉で飯をくるんだことが名前の由来です。雌雄異株です。イイギリの花は地味でしかも頭上遙か遠い位置にありますが、甘い匂いと落花した雄花でその存在に気づかれることでしょう。雌株は秋から冬にかけて房状の赤い実が目立ち、私たちの目を楽しませてくれます。園内各所で見られます。
 ヤマボウシはミズキ科ヤマボウシ属の落葉高木です。街路樹などでお馴染みの北アメリカ原産のハナミズキ(アメリカヤマボウシとも呼ばれる)と同じ仲間です。白い大きな花弁に見えるものは総苞片で、中心部に多数の花が集まっています。総苞片が開いた後に、開花します。「山法師」と書き、総苞片を僧兵の頭巾に、頭状花序を僧兵の頭に見立てたのでこの名があります。武蔵野植物園などで見られます。
 ウツギはユキノシタ科ウツギ属の落葉低木です。名前の由来は「空木」、すなわち、茎を折ってみると中が中空になっているからです。漢字で「卯木」と書きますが、卯月(ウヅキ)に花が咲くことからです。「卯の花」とも呼ばれます。あの「夏は来ぬ」という歌の中で歌われている卯の花のことです。また歌詞の中の時鳥(ホトトギス)の声は今年も聞こえています。今真っ盛りのウツギの花は武蔵野植物園で見られます。

〔樹木〕
(咲き始め) ヤマボウシ
(花の見頃) アカガシ、アワブキ、イイギリ、イボタノキ、ウツギ、エゴノキ、ゴンズイ、スイカズラ、スダジイ、ナワシロイチゴ、ハマクサギ、ホオノキ
(花そろそろ終わり) ガマズミ、キハダ、コアジサイ、コゴメウツギ、シュロ、ノイバラ、マユミ、マルバウツギ

〔草〕
(咲き始め) カモジグサ、ドクダミ、ノハナショウブ
(花の見頃) アイイロニワゼキショウ、アサザ、イ、オオバコ、オヘビイチゴ、カタバミ、カニツリグサ、キショウブ、クサイ、クサノオウ、クサヨシ、ケキツネノボタン、コナスビ、サイハイラン、シロツメクサ、スズメノカタビラ、ツメクサ、トウバナ、ニワゼキショウ、ヌカボ、フトイ、ヘビイチゴ、ムラサキ、ヤマブキショウマ
(花そろそろ終わり) アヤメ、ウシハコベ、オニタビラコ、カキツバタ、キクムグラ、チョウジソウ、ナツノハナワラビ、ハナイバナ、ハルジオン、ムラサキサギゴケ
イイギリの雄花
イイギリの雄花
ヤマボウシの花
ヤマボウシの花
ウツギの花
ウツギの花
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