生物記録情報

2010.1.27

 現在の自然教育園内の主な植物の見頃情報をお知らせします。
 写真はフクジュソウの花、ヤブランの実、ケンポナシの実です。
 フクジュソウの花が咲き始めました。旧暦の元旦の頃に開花することから、おめでたい花として福寿草(ふくじゅそう)の名がついたといわれます。正月の床飾りとされ、かつては元旦草とも呼ばれました。キンポウゲ科の多年草です。美しい花ですが、花弁のように見えるのは萼片です。路傍植物園と武蔵野植物園で見られます。
 ヤブランは、ユリ科ヤブラン属の多年草です。園内では7月末から9月中頃まで薄紫色の花を咲かせます。常緑で花も美しいので、庭や公園などにも植えられるお馴染みの植物です。名前の由来は葉がランの仲間に似ているためです。ヤブランの実は始めは緑色ですが、熟した今は黒色です。園内各所で見られます。
 ケンポナシはクロウメモドキ科の落葉高木です。森の小道を歩いていると道ばたに、ちょっと変わった形のこの実が落ちているのを見つけることができます。木からすでにほとんどの実が落ちています。漢字で「玄圃梨」と書きます。玄圃とは仙人の居所を指し、多肉質に肥厚する果柄部分が仙人が使っていた杖の形に似ていることが名前の由来です。この部分には甘味があり、熟したナシの味がするためナシの名がついています。写真の茶色い果柄部分に付いている白い部分の中に、種子が入っています。

〔樹木〕
(咲き始め) アセビ、ウグイスカグラ
(花の見頃) シロヤブツバキ、ハンノキ、ヤブツバキ
(実の見頃) アオキ、カラスザンショウ、コウヤボウキ、サルトリイバラ、センリョウ、マンリョウ、ムクロジ、ヤブコウジ
(紅葉) クサイチゴ、サネカズラ、スイカズラ

〔草〕
(咲き始め) フクジュソウ、ユキワリイチゲ
(花の見頃) カンアオイ
(実の見頃) ウバユリ、ノシラン、ヒメガマ、ムサシアブミ、ヤブラン
(紅葉) アカハナワラビ、オヘビイチゴ、スイバ、トラノオスズカケ
フクジュソウの花
フクジュソウの花
ヤブランの実
ヤブランの実
ケンポナシの実
ケンポナシの実
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