生物記録情報

2010.1.20
 現在の自然教育園内の主な植物の見頃情報をお知らせします。
 写真はハンノキの雄花、ノシランの実、アオキの実です。
 ハンノキはカバノキ科の落葉樹で、湿地に生育します。水生植物園にある大木を見上げると、枝の先端についた尾状の雄花序が垂直に垂れ下がっています。開花した雄花は黄色味を帯びています。雌花序は枝の途中にありますが、まだつぼみが多いです。
 ノシランは、ユリ科ジャノヒゲ属の多年草です。よく知られる同じ属のジャノヒゲも園内にはあります。実の色は美しい青色でよく似ていますが、こちらの方が大分大きいですね。葉も線形ですが、ジャノヒゲに比べたらはるかに大きく、属は違いますが、ヤブランの葉をさらに大きくしたような風情です。昨年は8月中旬から9月中旬にかけて、白い花を咲かせていました。園内各所に生えていますが、この写真は水生植物園からおろちの松へ行く途中の道ばたで撮影しました。ノシランの「ノシ」は熨斗のことで、葉の形が進物や贈答品に添える「熨斗(のし)」に似ているというので「熨斗蘭」になったと言われています。
 アオキはミズキ科アオキ属の常緑低木です。葉や枝・幹が緑色であることから、古くは「青木葉」と呼ばれ、それが和名属名の由来となっています。4月に咲く花は地味ですが、赤く大きな実は目立ち、野鳥の餌となります。園内全域で見られます。

〔樹木〕
(咲き始め) アセビ、ウグイスカグラ、ハンノキ
(花の見頃) シロヤブツバキ、ヤブツバキ
(実の見頃) アオキ、カラスザンショウ、コウヤボウキ、サルトリイバラ、シロミノマンリョウ、センリョウ、マンリョウ、ムクロジ、ヤブコウジ
(紅葉) クサイチゴ、サネカズラ、スイカズラ

〔草〕
(咲き始め) ユキワリイチゲ
(花の見頃) カンアオイ
(実の見頃) ウバユリ、コバノカモメヅル、ノシラン、ヒメガマ、ムサシアブミ、ヤブラン
(紅葉) アカハナワラビ、オヘビイチゴ、スイバ
ハンノキの花
ハンノキの花
ノシランの実
ノシランの実
アオキの実
アオキの実
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