生物記録情報

2009.8.6
 現在の自然教育園内の主な植物の見頃情報をお知らせします。
 写真はキンミズヒキ、オオヒナノウスツボ、トラノオスズカケの花です。
 キンミズヒキはバラ科の多年草で、山道や草地などに生えます。赤と白の花をつけるタデ科のミズヒキ(のし袋につける水引にたとえた)に花のようすが似て黄色の花をつけることから名付けられました。路傍植物園・水生植物園・武蔵野植物園で見られます。
 オオヒナノウスツボとは長い名前ですが、「大雛の臼壷」と書きます。これは特徴のある花の形からつけられた名前で、まるで餌をねだる雛が口を開いているように見えます。ゴマノハグサ科の多年草です。武蔵野植物園で見られます。
 トラノスズカケは園内では昨年50年ぶりに再発見されました。おそらく休眠性の高い埋土種子が、最近のミズキなどの高木の枯死によって林床に光が差し込むようになったことで、発芽が促されたものと考えられます。トラノオスズカケは四国、九州の限られた地域に希に見られる半常緑の植物です。江戸時代松平讃岐守(香川県)の下屋敷であった頃、下屋敷の一部に薬園を作った同郷の平賀源内がおそらく故郷から種子を運んで栽培していたものが野生化したのだろうと推察されます。名前のいわれは、トラノオは花序の様子を虎の尾に、スズカケは山伏の衣装の鈴掛にたとえたものです。
水鳥の沼から階段を上がった右側の斜面で見られます。

〔樹木〕
(咲き始め) アオツヅラフジ、サネカズラ、ナツフジ
(花の見頃) エビヅル、カラスザンショウ、クサギ、タラノキ、ノブドウ、ヤマハギ
(実の見頃) ウワミズザクラ、コブシ
〔草〕
(咲き始め) イノコズチ、ウリクサ、エゾアブラガヤ、オオヒナノウスツボ、オトギリソウ、カナムグラ、ガンクビソウ、キツネノマゴ、クズ、ゲンノショウコ、コヤブタバコ、シロバナキツネノマゴ、シロバナサクラタデ、タイアザミ、トラノオスズカケ、ナンバンギセル
(花の見頃) アキカラマツ、イヌヌマトラノオ、オニドコロ、オヒシバ、キキョウ、キツネノカミソリ、キンミズヒキ、クサノオウ、コバギボウシ、コバノカモメヅル、サワヒヨドリ、シロネ、スズメノヒエ、ソクズ、ダイコンソウ、タカトウダイ、タケニグサ、ツユクサ、ツルニガクサ、トキワハゼ、ナガボノアカワレモコウ、ナガボノシロワレモコウ、ヌスビトハギ、ヌマトラノオ、ハグロソウ、ヘクソカズラ、マツカゼソウ、ミズタマソウ、ミズヒキ、ミソハギ、ミョウガ、メヤブマオ、ヤブミョウガ、ヤブラン、ヤマノイモ、ヤマホトトギス、ユウガギク、ワレモコウ
(花そろそろ終わり) ウバユリ、ハエドクソウ、ハシカグサ、ミツバ、ムラサキ
キンミズヒキの花
キンミズヒキの花
オオヒナノウスツボの花
オオヒナノウスツボの花
トラノオスズカケの花
トラノオスズカケの花
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