生物記録情報

2013.12.26
生物記録情報
 現在の自然教育園内で見られる生物の情報をお知らせします。
 
〔樹木〕
(咲き始め)ヤブツバキ
(花の見頃)ヤツデ
(花そろそろ終わり)オオナワシログミ、ヒイラギ
(実の見頃)アオツヅラフジ、イイギリ、カラスザンショウ、カラタチバナ、ケンポナシ(森の小道)、サネカズラ、サルトリイバラ、センリョウ、トウネズミモチ、ノイバラ、ハリギリ、ヒサカキ、マンリョウ、ムクロジ、ムラサキシキブ、ヤブコウジ
(紅葉・黄葉)イヌビワ、イロハモミジ、ガクアジサイ、カラスザンショウ、クサイチゴ、クヌギ、コクサギ、コゴメウツギ、コナラ、サルトリイバラ、スイカズラ、ハリギリ、ハンノキ、マユミ、マルバウツギ、ヤマブキ

〔草〕
(花の見頃)アカフユノハナワラビ、オオハナワラビ、
(花そろそろ終わり)タイアザミ、ヒメジョオン
(実の見頃)ウバユリ、オオバギボウシ、カラスウリ、コバノカモメヅル、シオデ、ヒメガマ、ヒヨドリジョウゴ、ムサシアブミ、ヤブラン
(紅葉・黄葉)アキカラマツ

 動物は以下の通りです。
〔昆虫〕
 カマキリ類…オオカマキリ卵鞘
 チョウ類…アサギマダラ幼虫、イラガ繭
〔鳥類〕ハシブトガラス、スズメ、シメ、アオジ、メジロ、シジュウカラ、エナガ、ヒヨドリ、ウグイス、シロハラ、ツグミ、コゲラ、カルガモ、ドバト

 写真はヒメガマの実、コバノカモメヅルの実、イヌコリヤナギで冬越しする昆虫です。
 ヒメガマはガマ科ガマ属の多年草で、池や沼に生え、群落となります。ソーセージのような形の実がほぐれて、綿毛を持ったタネが飛び出しています。風が吹くと白い綿毛とともにタネが飛んでいきます。水生植物園で見られます。
 コバノカモメヅルはガガイモ科(キョウチクトウ科)のツル性の多年草です。披針形の袋果(先がとがった細長い実)が水生植物園のいろいろな低木に絡まっているのが見られます。花は赤紫色の小さな星形で、今年は6月中旬〜9月中旬にかけて見られました。2013.9.5の生物記録情報に花の写真を掲載しています。袋果が割れて、綿毛の付いた種子が風に乗って散らばっていきます。
 秋までは多くの昆虫が賑わっていた水生植物園も今はひっそりとしています。寒い冬にはほとんどの昆虫が活動を休止し、人間の目にはどのように冬を越しているかわかりにくいものです。寒さから身を守る冬越しの昆虫の形態は様々ですが、水生植物園のイヌコリヤナギの枝にオオカマキリの卵鞘とイラガの繭を見つけました。
 カマキリの仲間は秋に産卵し、親は死んでしまいます。その産卵方法は泡のような塊の中に多数の卵を包んで産み付け、その塊を卵鞘(らんしょう)と言い、冬の間卵を保護しています。オオカマキリはススキなど背の高い草の茎や、低木の細枝などに産み付けます。
 イラガの繭(まゆ)は大きさ12mm前後です。繭には独特の灰白地に茶色の縦縞模様があり、石灰質で硬いです。幼虫が繭を作り繭の中で前蛹(ぜんよう)と呼ばれる状態で越冬します。来年の5月頃から羽化し始め成虫として出てきます。
ヒメガマの実
ヒメガマの実
コバノカモメヅルの実
コバノカモメヅルの実
イヌコリヤナギで冬越しする昆虫
イヌコリヤナギで冬越しする昆虫
画像をクリックすると大きくなります。