生物記録情報

2012.10.24
 現在の自然教育園内の主な生物の見頃情報をお知らせします。
 写真はタイワンホトトギスの花、ユウガギクの花、ガマズミの実です。
 タイワンホトトギスはユリ科ホトトギス属の多年草です。台湾と沖縄に自生します。園内では同じ仲間にホトトギスとヤマホトトギスがあります。ヤマホトトギスはすでに咲き終わっていますが、ホトトギスの方はピークは過ぎてはいますがまだ咲き残っています。花はホトトギスに似ていますが、タイワンホトトギスの特徴としては、茎の頂点で花枝がよく枝分かれして多くの花をつけていることが相違点です。タイワンホトトギスは中国・沖縄が原産ですが、園芸品種も多く、日本産のホトトギスとの交雑種も多いようです。園内のタイワンホトトギスも交雑種です。武蔵野植物園で見られます。
 秋の風物詩である「ノギク」と呼ばれるキクの花が現在3種類見られます。キク科シオン属のシラヤマギクとシロヨメナ、ヨメナ属のユウガギクです。いずれも白色の花を咲かせています。シラヤマギクとシロヨメナは路傍植物園と武蔵野植物園で見られます。ユウガギクは「抽香菊」と書き、(ユズ)の香りの菊という意味です。若い葉をつまんで指先でもむとユズの香りがします。路傍植物園、水生植物園、武蔵野植物園で見られます。
 ガマズミはスイカズラ科ガマズミ属の落葉低木です。5月の中旬から下旬にかけて白い花を咲かせていましたが(2012.5.16の生物見頃情報を参照)、その実が今赤く熟しています。「ガマ」の由来は不明ですが、「ズミ」はまさにこの実が酸っぱいことから、酸実(ずみ)と呼ばれたということです。この実は鳥の餌となり、タネが鳥により散布され、武蔵野植物園や路傍植物園など園内各所で見られます。

〔樹木〕
(咲き始め)コウヤボウキ、サザンカ
(花の見頃)チャノキ、リンボク
(花そろそろ終わり)サネカズラ
(実の見頃)アオツヅラフジ、イイギリ、ガマズミ、カラタチバナ、クサギ、コナラ、シラカシ、スダジイ、ツクバネガシ、ノブドウ、ムクノキ、ムラサキシキブ、ヤブコウジ
(紅葉の見頃)エビヅル、ツタ

〔草〕
(咲き始め)アワコガネギク、オオニガナ
(花の見頃)カゼクサ、コメナモミ、シロヨメナ、セイタカアワダチソウ、タイアザミ、タイワンホトトギス、ネズミガヤ、ノガリヤス、ノハラアザミ、ハナタデ、ヒメアシボソ、フジバカマ、マヤラン、マルバフジバカマ、ミゾソバ、ヤマハッカ、ユウガギク
(花そろそろ終わり)アカネ、アキノウナギツカミ、アメリカセンダングサ、イヌショウマ、ウリクサ、キセルアザミ、キツネノマゴ、クワクサ、コブナグサ、サワヒヨドリ、シラヤマギク、シロバナキツネノマゴ、シロバナサクラタデ、ダイコンソウ、タカトウダイ、ツリフネソウ、テンニンソウ、トダシバ、トラノオスズカケ、ナガボノシロワレモコウ、ナンバンギセル、ノダケ、ヒヨドリジョウゴ、フタバハギ、ホトトギス、マツカゼソウ、ヤブタバコ、ヨシ、ワレモコウ
(実の見頃)オギ、カラスウリ、キチジョウソウ、ススキ、ヌスビトハギ、ホウチャクソウ、ヤブミョウガ
(紅葉・黄葉の見頃)アキノウナギツカミ、カラスウリ、カラスノゴマ、キンミズヒキ、シロバナサクラタデ、タカトウダイ、チョウジソウ、ツルマメ、ドクダミ、ミソハギ、ヤマノイモ

 見られた昆虫、鳥類、その他の動物は以下の通りです。
〔昆虫〕
 トンボ類…アキアカネ
 バッタ類…エンマコオロギ、ツヅレサセコオロギ、アオマツムシ、ヒロバネカンタン、カネタタキ
 カメムシ類…ヨコズナサシガメ、オオクモヘリカメムシ
 チョウ類…クロアゲハ、キチョウ、ヤマトシジミ、ツマグロヒョウモン、チャバネセセリ、ホシホウジャク
 甲虫類…コクワガタ
 ハチ類…ハラナガツチバチ、オオスズメバチ、クマバチ
 ハエ類…ホソヒラタアブ、アシブトハナアブ、オオハナアブ、キンバエ、ツマグロキンバエ
〔クモ類〕…ジョロウグモ
〔鳥類〕ハシブトガラス、スズメ、メジロ、ヤマガラ、シジュウカラ、モズ、ヒヨドリ、アカゲラ、コゲラ、オオタカ、カルガモ、キジバト、ドバト
〔両生爬虫類〕クサガメ
〔その他〕メダカ、モツゴ、ヨシノボリ、スジエビ、アメリカザリガニ、ミスジマイマイ
タイワンホトトギスの花
タイワンホトトギスの花
ユウガギクの花
ユウガギクの花
ガマズミの実
ガマズミの実
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