生物記録情報

2013.1.9
 現在の自然教育園内で見られる生物の情報をお知らせします。
 写真はヒメガマの実、ヤブランの種子、冬に紅葉する植物です。
 ヒメガマはガマ科ガマ属の多年草で、池や沼に生え、群落となります。ソーセージのような形の実がほぐれて、綿毛を持ったタネが飛び出しています。風が吹くと白い綿毛とともにタネが飛んでいきます。水生植物園で見られます。
 ヤブランは、ユリ科ヤブラン属の多年草です。常緑で花が美しいので、庭や公園などにもよく植えられます。花は薄紫色で、園内では昨年は7月中旬から10月上旬まで長い間見られました。名前の由来は葉がランの仲間に似ているためです。園内各所で現在見られる黒く熟した実のように見えるものは種子で、早期に果皮がはがれ落ちてしまうので種子だけが成熟します。種子は始めは緑色です。
 冬の間、葉が赤くなる植物が見られますが、木本を3種紹介します。クサイチゴ、スイカズラ、サネカズラです。紅葉のしくみは葉が凍らないように糖分濃度が高められ、糖から赤い色素を持つアントシアンが作られたためです。アントシアンはイロハモミジのような落葉樹の紅葉のときに作られる成分と同じですが、クサイチゴなどは葉は落ちず、春が近づき暖かくなると光合成が行われるようになり、再び元の色に戻ります。クサイチゴはバラ科キイチゴ属の落葉小低木ですが、暖かい所では常緑です。中央湿地を望む道ばたや武蔵野植物園などで見られます。スイカズラはスイカズラ科スイカズラ属の常緑つる性木本で、水生植物園で見られます。サネカズラはマツブサ科サネカズラ属の常緑つる性木本で、園内各所で多く見られます。

〔樹木〕
(花の見頃)サザンカ
(花そろそろ終わり)ヒイラギ、ヤツデ
(実の見頃)カラスザンショウ、カラタチバナ、センリョウ、トウネズミモチ、マンリョウ、ムクロジ、ヤブコウジ
(紅葉)クサイチゴ、サネカズラ、スイカズラ

〔草〕
(花そろそろ終わり)アカフユノハナワラビ
(実の見頃)ウバユリ、オオニガナ、ガマ、カラスウリ、カラスノゴマ、キチジョウソウ、ヒメガマ、ヘクソカズラ、ムサシアブミ、ヤブラン
(紅葉)アカハナワラビ、オオハナワラビ、キランソウ、ショウジョウバカマ、ダイコンソウ、トラノオスズカケ、ヤマルリソウ

 見られた動物は以下の通りです。
〔昆虫〕
  カマキリ類…オオカマキリ卵鞘、ハラビロカマキリ卵鞘

〔鳥類〕ハシブトガラス、スズメ、シメ、カワラヒワ、ウソ、アオジ、メジロ、シジュウカラ、ヤマガラ、モズ、ヒヨドリ、ウグイス、シロハラ、ツグミ、ジョウビタキ、アカゲラ、コゲラ、ノスリ、カルガモ、キジバト、ドバト、ワカケホンセイインコ
ヒメガマの実
ヒメガマの実
ヤブランの種子
ヤブランの種子
冬に紅葉する植物
冬に紅葉する植物
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