生物記録情報

2011.3.2
 現在の自然教育園内の主な植物の見頃情報をお知らせします。
 写真はモクレイシの花、アセビの花、フキの花です。
 モクレイシはニシキギ科モクレイシ属の常緑低木で、暖帯林に生えます。モクレイシという名は、実が割れて赤い種子が見えるのが、ツルレイシ(ニガウリのこと)に似ている木という意味から付けられました。雌雄異株ですが、園路から見えるのは雄株で実を見ることはできません。展示ホールから路傍植物園を進むとすぐ右手にあります。
 アセビはツツジ科アセビ属の常緑低木で、白い釣り鐘状のかわいらしい花を下向きに咲かせます。「馬酔木」と書き、馬がこの葉を食べると酔ったように足が不自由になることから、「足癈(あしじひ)」と呼ばれ、しだいに変化して「あしび」そして「あせび」となりました。アセボトキシンという毒をもち、蜂蜜を経由してヒトに中毒症状が起こることがあります。ひょうたん池の前と武蔵野植物園で見られます。
 フキはキク科フキ属の多年草です。「フキノトウ」と言えば、早春の風物詩あるいは味覚として知られていますが、これはフキの花茎のことを指します。つぼみのフキノトウが、やっと花を開き始めました。フキという名の由来について、金田一春彦は、葉に短い毛が生え、汚れをふくのに便利だから「拭き」の葉という説を唱え、新井白石(1657〜1725)は「フキはフブキの略で、フブキとは茎を折った時、繊維が糸のように出てくることをさす。」と言っています。フキは路傍植物園、水生植物園、武蔵野植物園など園内各所で見られます。

〔樹木〕
(咲き始め)イヌシデ、ウグイスカグラ
(花の見頃)アセビ、ウメ、シロヤブツバキ、マンサク、モクレイシ、ヤブツバキ
(実の見頃)ムクロジ
(紅葉)クサイチゴ、サネカズラ、センリョウ、ヤブコウジ

〔草〕
(花の見頃)カンアオイ、フクジュソウ、ユキワリイチゲ
(花そろそろ終わり)セツブンソウ
(実の見頃)ジャノヒゲ、ノシラン、ヒメガマ、ヤブラン
(紅葉)アカハナワラビ、アカフユノハナワラビ、オオハナワラビ、キランソウ、ショウジョウバカマ、スイバ、ダイコンソウ、トウバナ、トラノオスズカケ、ヤマルリソウ、ラショウモンカズラ
モクレイシの花
モクレイシの花
アセビの花
アセビの花
フキの花
フキの花
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