生物記録情報

2010.4.14
 現在の自然教育園内の主な植物の見頃情報をお知らせします。
 写真はイチリンソウの花、ミツガシワの花、アケビの花です。
 イチリンソウはキンポウゲ科イチリンソウ属の春植物(スプリング・エフェメラル)で、ニリンソウと共にまだ明るい落葉樹林下で白い花を咲かせています。ニリンソウに比べはるかに大きい花が目立ちます。これらキンポウゲ科の華やかな花の、花びらのように見えるものは萼片で、虫を引き寄せる目印となるのでしょう。路傍植物園で見られます。
 ミツガシワは、ミツガシワ科ミツガシワ属の一属一種の多年草で、湿地や浅い水中に生えます。寒冷地に多く分布しますが、氷河期の生き残りとして低地でも見られます。槲(かしわ)のような3枚の小葉があることから、この名前が付けられました。水生植物園で美しい花の群落が見られます。
 アケビはアケビ科のツル性落葉低木です。楕円形の果実が熟すると一方に縦裂して白い肉をあらわすから開け実(アケミ)と言い、そこから転訛(てんか)して、アケビの名になったと言われています。ただ、この説意外にも、名前の由来には諸説あります。雌雄異花で、写真のアケビは水鳥の沼の近くにあるヤマザクラの木に絡んでいました。この小葉が5枚のアケビに対して、3枚のミツバアケビの花も園路の反対側で見ることができます。

〔樹木〕
(咲き始め) ナツグミ、ミツデカエデ、ミツバウツギ、ヤマグワ
(花の見頃) アオキ、アケビ、イヌコリヤナギ、イロハモミジ、クサイチゴ、クヌギ、コクサギ、コナラ、サルトリイバラ、ジャヤナギ、ツクバネウツギ、ニワトコ、ヒメカジイチゴ、ミツバアケビ、ミツバツツジ、ヤマブキ
(花そろそろ終わり) イヌガヤ、オオシマザクラ、ソメイヨシノ、モミジイチゴ、ヤマザクラ

〔草〕
(咲き始め) オドリコソウ、カントウタンポポ、キクムグラ、サクラソウ、タチイヌノフグリ、ホウチャクソウ、ミゾイチゴツナギ、ミミナグサ、ヤエムグラ、ヤブヘビイチゴ
(花の見頃) アゼスゲ、イカリソウ、イチリンソウ、ウラシマソウ、カキドオシ、カサスゲ、カタバミ、キランソウ、クサノオウ、ケマルバスミレ、シャガ、ジロボウエンゴサク、セキショウ、セントウソウ、タチツボスミレ、タマノカンアオイ、ツボスミレ、ニリンソウ、ノウルシ、ハコベ、ハナダイコン、ヒメウズ、ヘビイチゴ、ミツガシワ、ミツバツチグリ、ムサシアブミ、ムラサキケマン、ムラサキサギゴケ、ヤブタビラコ、ヤブニンジン、ヤマブキソウ、ヤマルリソウ、ラショウモンカズラ
(花そろそろ終わり) シュンラン、ショウジョウバカマ
イチリンソウの花
イチリンソウの花
ミツガシワの群落
ミツガシワの群落
アケビとミツバアケビの花
アケビとミツバアケビの花
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