生物記録情報

2013.3.12
生物記録情報
 現在の自然教育園内で見られる生物の情報をお知らせします。
 
 写真はキブシの花、ツクシ、ヒロハアマナの花です。
 キブシはキブシ科キブシ属の落葉低木です。雌雄異株です。キブシという名前は次のような説に基づいています。ヌルデの葉に虫が寄生してできる虫こぶのことを木五倍子(キフシ)といい、江戸時代、お歯黒(既婚の女性が歯を黒く染める風習)に使われました。そのヌルデの五倍子と同様にキブシの果実はタンニンが多く、その代用に使われたということです。今はまだ葉の出ていない枝の先端にクリーム色の花穂がぶら下がっている様子は春の風情があります。路傍植物園にあるキブシは雄株ですので、実を見ることはできません。
 ツクシはシダ植物トクサ科トクサ属のスギナの胞子茎で、早春に地表に出てきて胞子を飛ばします。ツクシと地下茎でつながっているスギナの栄養茎がツクシの後に出てきます。栄養茎がスギの樹形に似ていることから「スギナ」の名前が付きました。ツクシは春の風物詩、山菜として古くから親しまれてきました。ツクシという名前の由来は土中でスギナに付いているから「付く子」、土を突いて地表に出てくるから「突く子」、節のところで切り離しても継ぐことができるから「継く子」、と色々な説があります。また、漢字の「土筆」はその姿、形が筆に似ているところからあてられた字です。
 ヒロハアマナはユリ科アマナ属の多年草です。園芸品種の多いチューリップに近い植物です。同じ仲間のアマナより少し早く咲き始めます。ヒロハアマナの葉は、名前の通り幅広で、中央に太い白線が走っている特徴を持っています。「アマナ」という名前は鱗茎(球根)が甘いことから来ています。ヒロハアマナは現在、武蔵野植物園で見頃となっており、アマナも咲き始めました。

〔樹木〕
(咲き始め)アカシデ、アブラチャン、ウメ、キブシ、コブシ、シキミ、シロヤブツバキ、ヒイラギナンテン、モミジイチゴ
(花の見頃)アセビ、イヌシデ、ウグイスカグラ、スギ、ツノハシバミ、ハルニレ、マンサク、モクレイシ、ヤブツバキ

〔草〕
(咲き始め)アマナ、カタクリ、シュンラン、ショウジョウバカマ、タチツボスミレ、ヤマルリソウ
(花の見頃)アオイスミレ、アズマイチゲ、スギナ、ヒメカンスゲ、ヒロハアマナ、フキ、ミヤマカンスゲ、ユキワリイチゲ
(花そろそろ終わり)フクジュソウ

 動物は以下の通りです。
〔昆虫〕
 カマキリ類…オオカマキリ卵鞘、ハラビロカマキリ卵鞘
 アブ類…アシブトハナアブ、ホソヒラタアブ
   
〔鳥類〕ハシブトガラス、スズメ、シメ、アオジ、メジロ、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒヨドリ、ウグイス、カワセミ、アカゲラ、コゲラ、キジバト、ドバト

〔その他〕クサガメ、モツゴ、メダカ、スジエビ
キブシの花
キブシの花
ツクシ
ツクシ
ヒロハアマナの花
ヒロハアマナの花
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