生物記録情報

2013.2.28
生物記録情報
 現在の自然教育園内で見られる生物の情報をお知らせします。
 
 写真はフキの花、草本の若葉、成虫越冬するナミハナアブです。
 フキはキク科フキ属の多年草です。「フキノトウ」は早春の風物詩また味覚として知られていますが、これはフキの花茎のことを指します。つぼみだったフキノトウが、やっと花を開き始めました。フキという名の由来について、金田一春彦は、「葉に短い毛が生え、汚れをふくのに便利だから拭きの葉という。」説を唱え、新井白石(1657〜1725)は「フキはフブキの略で、フブキとは茎を折った時、繊維が糸のように出てくることをさす。」と言っています。フキは路傍植物園、水生植物園、武蔵野植物園など園内各所で見られます。
 先週に引き続き、次々と若葉が出てきました。少しずつ春が近づいています。イチリンソウ、ニリンソウ、ムサシアブミ、カタクリ、ジロボウエンゴサク、ノカンゾウなどです。
 ナミアハナアブは4月から12月くらいまで活動し成虫越冬します。冬の間も暖かい日には飛び回ります。午後には気温が15度を越えた今日は、フクジュソウの花にナミハナアブが訪れていました。幼虫は水中で生活します。同じハナアブ科に属するホソヒラタアブも成虫で越冬し、時々見かけます。

〔樹木〕
(咲き始め)アセビ、シロヤブツバキ、スギ
(花の見頃)モクレイシ、マンサク、ヤブツバキ
(花そろそろ終わり)サザンカ、ハンノキ
(実の見頃)カラスザンショウ
(紅葉)クサイチゴ、サネカズラ、スイカズラ、センリョウ

〔草〕
(咲き始め)フキ
(花の見頃)フクジュソウ、ユキワリイチゲ
(花そろそろ終わり)セツブンソウ、
(実の見頃)キチジョウソウ、ジャノヒゲ、ムサシアブミ、ヤブラン
(紅葉)アカハナワラビ、オオハナワラビ、キランソウ、ショウジョウバカマ、スイバ、ダイコンソウ、トラノオスズカケ

 動物は以下の通りです。
〔昆虫〕
 カマキリ類…オオカマキリ卵鞘、ハラビロカマキリ卵鞘
 アブ類…ナミハナアブ
 
〔鳥類〕ハシブトガラス、スズメ、シメ、アオジ、メジロ、シジュウカラ、ヤマガラ、キクイタダキ、モズ、ヒヨドリ、ウグイス、シロハラ、ツグミ、カワセミ、コゲラ、ノスリ、カルガモ、キジバト
フキの花
フキの花
草本の若葉
草本の若葉
成虫越冬するナミハナアブ
成虫越冬するナミハナアブ
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