生物記録情報

2011.12.21
 現在の自然教育園内の主な生物の見頃情報をお知らせします。
 写真はガマズミの実、ハリギリの黄葉と実、カラスノゴマの実です。
 ガマズミはスイカズラ科ガマズミ属の落葉低木です。5月の中旬から下旬にかけて白い花を咲かせていましたが(2011.5.18の植物見頃情報を参照)、その実が今赤く熟しています。「ガマ」の由来は不明ですが、「ズミ」はまさにこの実が酸っぱいことから、酸実(ずみ)と呼ばれたということです。この実は鳥の餌となり、タネが鳥により散布され、武蔵野植物園や路傍植物園など園内各所で見られます。黄葉した葉との彩りが美しいです。
 ハリギリはウコギ科ハリギリ属の落葉高木です。葉が桐に似ていて、枝に刺があることからこの名前があります。同じウコギ科の常緑低木のヤツデに葉や花の形が似ています。いずれも「天狗の葉団扇」にたとえられるようです。武蔵野植物園で見られます。また今年は10月上旬に花を咲かせ、現在ヤツデに似た実も見ることもできます。
 カラスノゴマは、シナノキ科カラスノゴマ属の1年草です。名前の由来はサヤの中のゴマのような丸い種子をカラスの食べる胡麻に見立てたということです。頭にカラス(烏)やイヌ(犬)のつくものは役に立たない代名詞のようです。武蔵野植物園で見られます。また、9月下旬から10月の上旬にかけて咲かせる黄色い花は、なかなかかわいらしいです。

〔樹木〕
(咲き始め)ヤブツバキ
(花そろそろ終わり)ヤツデ
(実の見頃)イイギリ、ガマズミ、カラスザンショウ、ケンポナシ、サネカズラ、サルトリイバラ、シロダモ、シロミノマンリョウ、センリョウ、ツルウメモドキ、トウネズミモチ、ノイバラ、ハリギリ、マユミ、マンリョウ、ムベ、ムラサキシキブ、ヤブコウジ
(紅葉・黄葉)アワブキ、イイギリ、イヌシデ、イヌビワ、イロハモミジ、エンコウカエデ、オオモミジ、ガクアジサイ、ガマズミ、カラスザンショウ、キブシ、クマシデ、ケヤキ、コクサギ、ココメウツギ、コナラ、チドリノキ、トウカエデ、ハゼノキ、ハリギリ、マユミ、マルバウツギ、ミズキ、ムクロジ、ムラサキシキブ、ヤマグワ、ヤマブキ、ヤマボウシ

〔草〕
(花そろそろ終わり)オオハナワラビ、タイアザミ、ノハラアザミ
(実の見頃)オオニガナ、オオバギボウシ、カラスウリ、カラスノゴマ、シオデ、ヒメガマ、ヒヨドリジョウゴ、ヘクソカズラ、ムサシアブミ、ヤブミョウガ、ヤブラン
(紅葉・黄葉)アキカラマツ、キンミズヒキ

 見られた昆虫、鳥類、その他の動物は以下の通りです。
〔昆虫〕
 ガ類…フユシャクsp.
 
〔鳥類〕
 メジロ、コゲラ、シジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、ヒヨドリ、ハシブトガラス、アオジ、ウグイス、シロハラ、モズ、シメ、ツグミ、カワセミ、オオタカ、コサギ、カルガモ、ドバト
ガマズミの実
ガマズミの実
ハリギリの黄葉と実
ハリギリの黄葉と実
カラスノゴマの実
カラスノゴマの実
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