生物記録情報

2011.12.7
 現在の自然教育園内の主な生物の見頃情報をお知らせします。
 写真はムサシアブミの実、アカシデの紅葉、サルトリイバラの実です。
 ムサシアブミはサトイモ科テンナンショウ属の多年草です。花は4月から5月にかけて見られ、テンナンショウ属特有の仏焔苞(ぶつえんほう)の中に花序がある、印象的な姿をしています。赤く大きな実はその重さで地面に倒れてしまい、落ち葉の上で目立っています。路傍植物園で見られます。
 アカシデは、カバノキ科クマシデ属の落葉高木です。赤(芽吹きが赤い)いシデという意味です。シデとは「四手」のことで、しめ縄などに垂らす白いギザギザ模様の紙で、花のようすがこの四手に似ていることからこの名前になったということです。赤い芽吹きも美しいですが、現在見られる黄色から赤色に変わった葉も美しいです。同じ仲間のイヌシデとクマシデも園内で見られますが、どちらの葉も黄色に変わるだけです。アカシデは路傍植物園と武蔵野植物園で見られます。
 サルトリイバラはユリ科のツル性植物です。漢字で「猿捕茨」と書き、鋭い刺に猿もひっかかるだろうという意味の名です。別名の山帰来(サンキライ)は、毒消しの効果があり、具合の悪いときに山に入ってこの実を食べて帰って来るという故事から来ています。関西では柏餅のカシワの葉の代わりに、香りの良いこの生葉で餅を包みます。雌雄異株で、武蔵野植物園に雌株があり赤い実が見られます。

〔樹木〕
(咲き始め)ヤブツバキ
(花の見頃)サザンカ、ヤツデ
(花そろそろ終わり)ヒイラギ、
(実の見頃)イイギリ、ガマズミ、カラスザンショウ、ケンポナシ、サネカズラ、サルトリイバラ、シロダモ、シロミノマンリョウ、センリョウ、ツルウメモドキ、トウネズミモチ、トベラ、ノイバラ、マユミ、マンリョウ、ムベ、ムラサキシキブ、ヤブコウジ
(紅葉・黄葉)アサダ、アカシデ、アカメガシワ、アブラチャン、アワブキ、イイギリ、イヌザクラ、イヌシデ、イヌビワ、イボタノキ、イロハモミジ、ウワミズザクラ、エノキ、オオモミジ、カマツカ、カラスザンショウ、クズ、クマシデ、ケヤキ、コクサギ、ココメウツギ、コナラ、コブシ、コマユミ、サワシバ、サンショウ、ソメイヨシノ、チドリノキ、ツクバネウツギ、ツタ、ツルウメモドキ、トウカエデ、ハゼノキ、ハマクサギ、ハリギリ、ヒメコウゾ、フジ、ホソバイヌビワ、マユミ、マルバウツギ、マンサク、ミズキ、ミツデカエデ、ムクノキ、ムクロジ、ムラサキシキブ、ヤマグワ、ヤマザクラ、ヤマブキ、ヤマボウシ

〔草〕
(花の見頃)カンアオイ
(花そろそろ終わり)オオハナワラビ、タイアザミ、ヤクシソウ
(実の見頃)オオバギボウシ、カラスウリ、カラスノゴマ、コバギボウシ、シオデ、ヒメガマ、ヒヨドリジョウゴ、ヘクソカズラ、ムサシアブミ、ヤブミョウガ、ヤブラン
(紅葉・黄葉)イヌヌマトラノオ、オオバギボウシ、オニドコロ、キンミズヒキ、コバギボウシ、シロバナサクラタデ、タカトウダイ、ヌスビトハギ、ヌマトラノオ、フシグロセンノウ、ヘクソカズラ、メヤブマオ

 見られた昆虫、鳥類、その他の動物は以下の通りです。
〔昆虫〕
 バッタ類…コバネイナゴ
〔鳥類〕
 メジロ、コゲラ、シジュウカラ、エナガ、ヒヨドリ、ハシブトガラス、アオジ、カワセミ、オオタカ、シロハラ

ムサシアブミの実
ムサシアブミの実
アカシデ紅葉
アカシデ紅葉
サルトリイバラの実
サルトリイバラの実
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