生物記録情報

2011.2.17
 現在の自然教育園内の主な植物の見頃情報をお知らせします。
 写真はセツブンソウの花、ケンポナシの実、春を待つ草本4種です。
 セツブンソウはキンポゲ科セツブンソウ属の多年草です。節分の頃に開花することから、この名前がつきました。落葉広葉樹林の林床に生えます。清楚で美しい花です。現在園内で花が見られるフクジュソウ、ユキワリイチゲ(これらもキンポウゲ科)と共に、春植物の先駆けです。路傍植物園と武蔵野植物園で見られます。
 ケンポナシはクロウメモドキ科ケンポナシ属の落葉高木です。森の小道を歩いていると道ばたに、ちょっと変わった形の実が落ちているのを見つけることができます。高木のため、残念ながら花や実が枝に付いている様子を見ることはできませんが、花や実が落下した時にその存在に気づきます。漢字で「玄圃梨」と書きます。玄圃とは仙人の居所を指し、多肉質に肥厚する果柄部分が仙人が使っていた杖の形に似ていることが名前の由来です。この部分には甘味があり、熟したナシの味がするためナシの名がついています。写真の茶色い果柄部分に付いている白い部分の中に、種子が入っています。
 東京も雪が降り、寒い日が続きますが、植物は着々と春の準備を進めています。林床には、早春に花を咲かせる草本類が葉を広げています。ジロボウエンゴサク、バイモ、ショウジョウバカマ、キランソウの葉です。

〔樹木〕
(咲き始め)アセビ、ウグイスカグラ、シロヤブツバキ、マンサク
(花の見頃)ハンノキ、ヤブツバキ
(実の見頃)アオキ、カラタチバナ、コウヤボウキ、ネムノキ、マンリョウ、ムクロジ、ヤブコウジ
(紅葉)クサイチゴ、サネカズラ、センリョウ、ヤブコウジ

〔草〕
(咲き始め)セツブンソウ
(花の見頃)カンアオイ、フクジュソウ、ユキワリイチゲ
(実の見頃)ジャノヒゲ、ノシラン、ヒメガマ、ムサシアブミ、ヤブラン
(紅葉)アカハナワラビ、アカフユノハナワラビ、オオハナワラビ、キランソウ、ショウジョウバカマ、スイバ、ダイコンソウ、トラノオスズカケ、ヤマルリソウ、ラショウモンカズラ

セツブンソウの花
セツブンソウの花
ケンンポナシの実
ケンンポナシの実
春を待つ草本4種
春を待つ草本4種
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